□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2017年07月06日(木)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。プラチナ価格とランド相場との関係について解説します。特に、6月以降はランド相場を取り巻く環境が劇的な変化を見せているため、現状とそれがプラチナ価格動向にどのような影響を及ぼすのか論点整理を行います。 =================================== プラチナ価格に急落リスクあり、南アで金融政策も政治所管になる可能性 =================================== <南アランド相場が急落している。> 南アフリカ通貨ランドが軟化している。6月上旬は1ドル=12.50~13.00ランド水準で取引されていたのが、足元では13.4ランド前後までランド安・ドル高が進行している。これは5月18日以来のランド安・ドル高水準であり、6月14日の直近高値からは最大で7.6%の下落率が記録されている。 南アフリカは世界最大のプラチナ生産国であり、鉱山生産量ベースでは71%、スクラップ供給を含めた総供給量ベースで56%の市場シェアを有している。パラジウムに関してはロシアの生産量を下回るが、それでも鉱山生産量ベースで38%の市場シェアを有しており、ランド相場の動向はプラチナのみならずパラジウムのコスト論にも大きな影響を及ぼす動きである。特にプラチナに関してはランド相場の動向が世界のプラチナ生産コスト環境に直接的な影響を及ぼすため、約3週間でドル建て白金相場のコストラインが概ね7.6%切り下がったと評価することも可能な状態にある。… … …(記事全文4,304文字)