□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2015年10月08日(木)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。シェールオイルの減産傾向などを手掛かりに、10月入りしてからの国際原油相場は強含みに推移しています。こうした中で当然に原油価格の底入れ論も各所で聞かれるようになっていますが、今回はゴールドマン・サックスとロイヤル・ダッチ・シェルの考えている原油価格の底入れ論を紹介します。シェールの減産で底入れといった単純なロジックからもう一歩踏み込んで、原油需給構造・見通しに対する理解を深めたいと思います。 =================================== ゴールドマン・サックスの考える原油価格の底入れシナリオ =================================== <投資フェーズと生産フェーズの転換期を探る> NYMEX原油先物相場は、8月24日の1バレル=37.75ドルをボトムに、10月7日の取引では一時49.71ドルまで値位置を切り上げ、50ドル台回復が目前に迫る状況になっている。基本的には9月入りしてから続くボックス圏内の値動きだが、1)米国におけるシェールオイルの減産傾向と、2)9月米雇用統計を受けて米国の早期利上げ観測が後退していることが、原油安是正を促しているとの理解で良いだろう。需給リバランスの進展期待という需給要因と、米国の利上げに伴うコモディティ市場からの資金引き上げ警戒と、需給・投資環境の双方から原油価格に対して追い風が吹いていることが、少なくとも原油安に一定のブレーキを掛けることに成功している。… … …(記事全文4,034文字)