□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2015年10月05日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。 先週末に発表された米雇用統計の内容次第では10月利上げに向けてマーケットが一気に動き始める可能性もあると考えていましたが、結果的には悪い意味で雇用統計はサプライズになりました。世界で一人勝ちとも言えた米経済に変調が生じている可能性もあり、各マーケットはボラティリティを高めながらも明確な方向性を打ち出せない状況になっています。これは金相場も同様で、数週間単位で利上げ着手と利上げ先送り観測の織り込みを繰り返す、強気派にとっても弱気派にとっても、満足のいく結果が得られない状況です。今回は、金相場がどのような流れにあり、その中で今回の雇用統計をどのように位置付ければ良いのかを中心に検証します。 =================================== 早期利上げ観測と整合が取れない9月米雇用統計、翻弄され続ける金価格 =================================== <なお繰り返される利上げ期待の拡大と縮小> 米労働省は10月2日、9月分の雇用統計を発表したが、ネガティブ・サプライズとも言える低調な内容に留まった。これに伴い米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利上げ着手には極めて強い不透明感が広がり、年内利上げ着手という基本シナリオさえも修正を迫られる可能性が浮上してきている。今回の雇用統計の結果次第では10月27~28日に開催される次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ着手も想定する必要があったが、その確率が一夜にして限りなくゼロに近づき、更には12月15~16日の年内最後のFOMCでさえも、利上げに着手できるのか不透明感が広がっているのが現状である。… … …(記事全文5,243文字)