□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2015年10月02日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。 9月26日付けで発行「フォルクスワーゲン不正問題を受けての貴金属投資戦略の修正状況」では、この問題を受けて貴金属の需給・相場見通しがどのように変化するのかを検証しましたが、今回はそこでも取り上げたプラチナ売り・パラジウム買いの裁定取引についてより掘り下げた分析を行います。プラチナ価格、パラジウム価格ともに需給理論だけでは方向性が読みづらい状況ですが、価格差と言う視点では、比較的素直に需給動向・見通しを反映した値動きになっています。 =================================== VW不正問題の追い風を受ける数少ないマーケット=パラジウムの考え方 =================================== <米国のディーゼル車市場に対する期待の剥落が重要> 独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正操作問題はなお広がりを見せており、白金族貴金属(PGM)を中心とした貴金属市況に大きな影響を及ぼしている。この問題が発覚した9月のドル建て貴金属相場の値動きを確認しておくと、金が前月比-1.5%、銀が同-0.5%と小幅下落したのに対して、プラチナは同-10.0%と3年9ヶ月ぶりに月間下落率が二桁台に乗せている急落地合になっている。一方、パラジウムは同+8.1%と2年2ヶ月ぶりの高い月間上昇率を記録しており、VW問題を受けてプラチナ売り・パラジウム買いの裁定取引が極めて有効にワークする局面を迎えたことが再確認できる。… … …(記事全文4,138文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)