□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2015年09月28日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。金相場は半月から一ヶ月程度のタイムスパンで上昇と下落を繰り返す展開が続いています。リスク投資環境全体が不安定化する中、このまま売り込んでいっても問題がないのか、それとも金相場を下押ししてきたテーマそのものが変わってしまったのか、判断に迷っている向きが多いことが窺えます。こうした中、イエレンFRB議長がFOMC後で初めて長時間にわたる講演を行いました。FOMC後の記者会見と大差ない内容とも言われていますが、詳細に読み解いていくと金価格動向を考える上で重要なポイントが幾つか見えてきます。 =================================== FOMCでのメッセージ伝達は不調? イエレン議長はメッセージを明確化 =================================== <利上げ警戒で下げて、株安で上げて…を繰り返す> ドル建て金相場の方向性が定まらない。COMEX金先物相場は、7月24日に1オンス=1,072.30ドルと今年の最安値を更新した。これは2010年2月以来の安値であり、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策の正常化プロセスを本格化させていることが、無国籍・代替通貨としての金(Gold)の役割に終止符を打つとの見方がなお根強いことを示唆している。しかし、8月に入ると中国発の世界同時株安が安全資産としての金価格を刺激し、8月24日の1,169.80ドルまで直近安値から最大で97.50ドル(9.1%)の急反発を促している。ブラックフライデーとも言われた株価急落を受けて、不確実性の増した投資環境に対応するため、金で購買力を防衛する動きが活発化した結果である。それと同時に、なお株価急落といったリスク回避局面の初期段階では、金市場に投機資金が集まり易いことも再確認された。… … …(記事全文4,760文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)