… … …(記事全文4,424文字)シンガポール在住FPの花輪陽子です。4/2にトランプ大統領が相互関税を発表して以来、世界のマーケットは彼の発言に一喜一憂し、連日大混乱に陥っています。
トランプ世界同時株安 NISA投資家はどう行動する?世界の大転換期に注意すべきアセットアロケーション ヘッジファンドマネージャーとFPが語る
9日午前0時1分にトランプ米政権は相互関税の第2弾を発動し、対抗姿勢を強める中国に対して84%の高税率(第二次政権で合計104%、第一次も合わせると125%程度)としました。中国もこれに対抗をして米国に合計104%の関税をかけるということで完全に貿易戦争となっています。米国は他の国に対しては90日間適用をストップと表明しています。
世界経済に占める米国経済の割合が25%、中国と合わせると4割を超えます。このまま貿易戦争が長期化すれば、日本も含めた他国も間接的な影響を受けることが予想されます。
「低迷している覇権国と活気に溢れている覇権国が衝突する際には、戦争を免れなかったケースが歴史的に幾度となくあった。(中略)国の情勢が悪化すれば、外国人が責任を負わされ、銃撃戦の戦争が勃発しがちだ。」ジム・ロジャーズ『大転換の時代』(プレジデント社)
現在は昔のように銃撃戦ではなく、経済という新しい形での戦争が始まってしまっています。
株式市場は各国市場で全面安、安全と言われる米国債に関してもいったん買われていましたが、一転して売られる局面がありました。長期金利の指標の10年物米国債利回りは、先週末には一時3.9%を下回りましたが、流れが一転して一時期4.4%と急上昇し、リスクオフ局面では予想しなかった現象が起きました。
これはなぜでしょう?