… … …(記事全文2,229文字)貧困とは、おカネがないことではない。
人間が生存(及び生殖)するために必要な財やサービスを入手できないことを貧困と呼ぶ。
現在、世界の十大貧困国は全てアフリカに集中している。
アフリカの貧困は、日本人には想像を絶するレベルで、多くの人々が財やサービスを入手する所得を得られず、苦しんでいる。
それでは、なぜアフリカ諸国の多くは貧困に陥っているのだろうか。
無論、財やサービスの生産が十分にできないためだ。GDP三面等価の原則により、生産=支出=所得である。
それでは、なぜアフリカの人々は自分たちが生き抜くための財やサービスを生産できないのだろうか。
資本蓄積が足りないことが主因だ。投資が不足し、生産性が低いのである。
生産性は、設備投資、公共投資、技術投資、人材投資の四投資によってしか高めることができない。
生産力の三要素は、資本(モノ)、労働者(ヒト)、技術(ワザ)で決まる。
設備投資と公共投資がモノを増やし、人材投資はヒトを高度化する。技術投資はもちろんワザを引き上げる。
意外に見落としがちなのが、人材投資、つまりは教育だ。
アフリカの貧困国の多くは、識字率が30%未満である。文字を読めない人が少なくない。
となれば、技術を学ぶこともできず、設備投資や公共投資もできない。結果、貧困が継続する。