… … …(記事全文1,966文字)-民間経済主体の純資産増加-
資本主義とは、主に民間企業が負債を増やし(=銀行融資)、投資として支出し、経済規模(GDP)を拡大する経済モデルだ。
民間企業の銀行融資は、社会全体のマネー(銀行預金)を拡大させる。拡大したマネーは家計の給与として分配され、消費や貯蓄を増やすことになる。
問題は、企業が銀行融資を受けても、民間経済主体内で純資産は増えていないという点だ。
例えば、民間が銀行から3千万円を借り入れた才のバランスシート(以下、BS)を見てみよう。
【銀行融資のバランスシート】
http://mtdata.jp/20250919-1.jpg
図の通り、銀行が顧客に3千万円を貸し出した場合、両者のBSの借方、貸方が共に(同時に)3千万円ずつ増える。具体的には、
- 銀行のBS 借方「貸付金3千万円」 貸方「銀行預金3千万円」
- 顧客のBS 借方「銀行預金3千万円」 貸方「借入金3千万円」
が計上されることになるため、全体の純資産は(純負債も)増えないのである。