… … …(記事全文2,271文字)デフレーションとは、文字通り「縮む」という意味である。物価の下落ではない。
さらに、名目GDPから実質GDPを計算する際に使う「GDPデフレータ」は、
「名目GDPを実質GDPに縮ませる」
という意味を持つ物価変動率だ。
97年の日本経済デフレ化以降、GDPデフレータはマイナスの状況が続いた。
つまりは、名目GDPから実質GDPを計算する際に「膨らませる」働きをした。GDPデフレータならぬ、GDPインフレータだったのだ。
通常の経済とは、
「実質GDPが成長し、物価上昇(GDPデフレータ)分が上乗せされ、名目GDPはさらに大きくなる」
ものである。
つまりは、名目GDP成長率>実質GDP成長率となり、両者の乖離を埋めるのがGDPデフレータになる。
例えば、昨年は100円の製品を1つ作った。名目GDPは100円。実質GDPも100円。
今年は、製品を2つ作ることができた。単価も、100円から120円に引き上げられた。
この場合、実質GDPは200円だ。それに対し、名目GDPは240円。両者の乖離が20%というGDPデフレータ、つまりは物価上昇というわけだ。
【日本の実質GDP・名目GDP・GDPデフレータの推移(対前年比%)】
http://mtdata.jp/data_95.html#Defla