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週刊三橋貴明 ~新世紀のビッグブラザーへ~

三橋貴明(経世論研究所所長)

三橋貴明

経常収支と金融収支

24年度の日本の経常収支は、過去最大となる30兆円強の黒字となった。

貿易収支は4兆円の赤字、サービス収支も2.6兆円の赤字だったが、第一次所得収支の黒字が何と41.7兆円と、史上初めて40兆円を上回り、経常収支全体を黒字化したのである。

第一次所得収支の黒字とは、日本の場合は、

「日本が外国に保有する資産からの配当金、金利が巨額」

という意味を持つ。

日本は世界最大の対外純資産国であるため、外国に保有する資産からの果実が大きいのだ。

そして、なぜ日本の対外純資産が膨れ上がったのかといえば、もちろん経常収支の黒字を続けてきたためだ。

誤解している人が少なくないが、例えば日本企業が外国に財を輸出したとして、「外貨(ドルなど)」を日本に持ち帰ることはできない。当たり前だ。日本国内では、日本円以外が通用しない。

日本企業が外国で稼いだ外貨は、そのまま「未来永劫」日本の対外資産として残り続けるのである。

「外貨を日本円に両替すれば良いのではないか?」

と、思われた方は多いだろうし、もちろん両替はできる。

とはいえ、その場合は、両替に応じてくれた「日本の銀行」が、ドルなどの外貨を保有し続けることになる。

例えば、A企業がアメリカに財を輸出し、100万ドルを得たとしよう(1ドル100円とする)。

A企業はドル預金という「アメリカの銀行の負債」あるいはドル紙幣というFRBの借用証書を、日本の銀行に持ち込む。

日本の銀行は、アメリカの銀行預金という借用証書を受け入れ、A企業の銀行預金の口座残高を1億円増やす。キーストロークマネーだ。

我々が一万円札という「日本銀行の負債」を市中銀行に差し入れると、銀行預金が1万円増えるのと全く同じオペレーションである。

… … …(記事全文2,141文字)
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