Foomii(フーミー)

週刊三橋貴明 ~新世紀のビッグブラザーへ~

三橋貴明(経世論研究所所長)

三橋貴明

付加価値税という名の関税

フランスの経済学者で「21世紀の資本」で有名なトマ・ピケティは、

「欧州の付加価値税(日本の消費税)の税率が高いのは、社会保障費を捻出するためではない。関税なのだ」

と、来日時の講演で発言している。

日本では、欧州諸国は高い消費税を「財源」に社会保障を充実させている、などと「それっぽいこと」が言われているが、嘘である。欧州の消費税率が高いのは、各国が「関税引き上げ合戦」を繰り広げた結果なのだ。

 【2024年時点 欧州連合加盟国の付加価値税最高税率(%)】

http://mtdata.jp/20250425-1.jpg

 どういうことなのか。日本の消費税(※付加価値税と仕組みは同じ。以下、消費税で統一する)で考えてみよう。

実は、外国製品を日本に輸入した場合、輸入業者が消費税を支払う必要があるのだ。具体的には、消費税法の以下の条文(第五条2項)による。

『(納税義務者)

第五条 事業者は、国内において行つた課税資産の譲渡等(略)及び特定課税仕入れ(略)につき、この法律により、消費税を納める義務がある。

2 外国貨物を保税地域から引き取る者は、課税貨物につき、この法律により、消費税を納める義務がある。』

意外だろうが、外国から輸入された製品にも、消費税は課せられているのである。

例えば、アメリカから1000円の製品を輸入した日本企業は、そこに利益を乗せるのは当然として、消費税という「コスト」を負担させられる。となれば、輸入企業の利益が10%として、1000円の製品を1100円で売るわけにはいかない。何しろ、消費税を負担しなければならないわけだ。

… … …(記事全文2,176文字)
  • この記事には続きがあります。全てをお読みになるには、購読が必要です。

    購読中の読者はこちらからログインすると全文表示されます。

    ログインする
  • 価格:200円(税込)

    今月配信済みの記事をお読みになりたい方は定期購読を開始ください。
    お手続き完了と同時に配信済み記事をお届けします。

    定期購読する

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2025年のバックナンバー

2024年のバックナンバー

このマガジンを読んでいる人はこんな本をチェックしています

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2025年4月19日に利用を開始した場合、2025年4月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

利用開始月(今月/来月)について

利用開始月を選択することができます。「今月」を選択した場合、月の途中でもすぐに利用を開始することができます。「来月」を選択した場合、2025年5月1日から利用を開始することができます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、d払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払いをご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

キャリア決済での購読の場合、次のサービスが利用できます。

docomo au softbank

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する