… … …(記事全文2,026文字)グローバリズムが終わった。
グローバリズムとは、国境を越えた財、サービス、人(労働者)、資本の移動を自由化することだ。あるいは、自由化することを「善」とするイズム(主義)である。
グローバリズムが進展すると、ホモ・サピエンスは「少数の勝ち組」と「多数の負け組」に分離していく。というよりも、そもそも少数の勝ち組が、さらに勝つためにグローバリズムが推進されるのだ。
具体的には、政治を動かすことによって。
90年代以降の日本では、まさに「少数の勝ち組を更に勝たせる」ために、政治が動いた。
所得税の累進性の緩和。
法人税の減税。
分離課税の導入。
事実上の輸出補助金である消費税の導入、増税。
労働者保護規制の緩和。
各種関税の引き下げ、廃止。
四半期決算の導入。
移民受入。
公共サービスの民営化。
持株会社の解禁。
自社株買いの解禁。
グローバリズムに基づく政策が推進された結果、日本では「少数の勝ち組」がひたすら所得を増やし、反対側で一般の労働者の賃金が引き下げられ、格差が拡大していった。
1990年度以降の資本金十億円以上企業の売上・人件費・投資・経常利益・配当金の推移を見ると驚かされる。
【日本の資本金十億円以上企業の売上・人件費・投資・経常利益・配当金の推移(1990年度=1)】
http://mtdata.jp/data_94.html#houjin