Foomii(フーミー)

週刊三橋貴明 ~新世紀のビッグブラザーへ~

三橋貴明(経世論研究所所長)

三橋貴明

PB黒字化目標の狂気

所得税の基礎控除等の引き上げが議論になっている。要するに、減税政策なのだが、減税議論に際して、

「財源はっ!?」

と叫ぶ与党関係者が少なくなく、呆れ果ててしまっている。

百歩譲って、政府が何らかの支出をする際に「財源は?」とやるのは、まだしも理解できる。

財源は国債。ではあるのだが、一般の国民や政治家は、政府の支出プロセスについて理解しておらず、

「政府はどこかから資金を調達し、支出している」

と、間違った認識を持っているためだ。

とはいえ、財源とはそもそも「財政支出の源」である。減税は財政支出ではないため、財源も何もあったものではない。

しかも、政府は常に国債(※国庫短期証券含む)を発行し、支出している。何しろ、タイミング的に徴税は支出の「後」になってしまう。

スペンディングファースト(支出が先)は、正しいというか、単なる現実である。

つまりは、減税政策とは、

「政府が国債発行し、支出し、国民に貨幣(主に銀行預金)を供給し、後から税金で回収する分を減らせ」

という政策になるため、財源論自体が成立しないのだ。

とはいえ、我が国では一応、建て前的には「減税の財源はどうする?」という理屈が成り立たなくもない。

理由は、未だにプライマリーバランス(基礎的財政収支、以下PB)25年度黒字化目標が堅持されているためだ。

PBとは、国債利払費を除く政府支出と、税収・税外収入の収支になる。利払費以外は、税金等で賄う。しかも、単年度で、が「PB黒字化目標」だ。

2025年1月17日、日本政府はようやく25年度PB黒字化は不可能という現実を認めた。

… … …(記事全文2,399文字)
  • バックナンバーを購入すると全文読むことができます。

    購入済みの読者はこちらからログインすると全文表示されます。

    ログインする
  • 価格:200円(税込)

    ひと月まとめて購入するとさらにお得です。

    価格:660円(税込)

    2025年1月分をまとめて購入する

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2025年のバックナンバー

2024年のバックナンバー

このマガジンを読んでいる人はこんな本をチェックしています

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2025年2月19日に利用を開始した場合、2025年2月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

利用開始月(今月/来月)について

利用開始月を選択することができます。「今月」を選択した場合、月の途中でもすぐに利用を開始することができます。「来月」を選択した場合、2025年3月1日から利用を開始することができます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、d払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払いをご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

キャリア決済での購読の場合、次のサービスが利用できます。

docomo au softbank

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する