Foomii(フーミー)

週刊三橋貴明 ~新世紀のビッグブラザーへ~

三橋貴明(経世論研究所所長)

三橋貴明

中央銀行の金融政策

意外と知られていないように思えるのだが、中央銀行の金融政策の基本は「金利」の誘導だ。

政策金利(無担保コール翌日物レート)の引き上げは、短期プライムレート(優良企業が一年以内の満期で借りる際の金利)を引き上げる。

政策金利の引き下げは、短期プライムレートを引き下げる

買いオペレーション(中央銀行の国債買取)は、長期金利を引き下げる。

売りオペレーションは長期金利を引き上げる。

ちなみに、短期プライムレートは住宅ローンの変動金利に、長期金利は固定金利に連動する。

中央銀行の金融政策とは、金利政策なのである。

上記を「伝統的」金融政策と総称する。それに対し、2013年に始まった「いわゆるリフレ派政策」は「非伝統的」だった。

「中央銀行がインフレ目標を設定し、インフレ目標を達成するまで量的緩和を継続するとコミットする」

ことで、期待インフレ率が上がり、実質金利が下がり、民間が借り入れを増やし、消費や投資という需要が増える。

という理屈のデフレ対策だったわけだが、結果はご存じの通り。結局のところ、紐で引っ張ることはできても、押すことはできない。

なぜ「いわゆるリフレ派政策」が採用されたのかといえば、当時の政策金利がゼロだったためだ。

金利がゼロであるにも関わらず、企業が借り入れを増やさない(需要が不足している以上、当然だが)。

となれば、期待インフレ率を高め、実質金利を下げる必要がある、という発想だったのだが、そもそもの問題は需要不足であった。

金利ゼロの状況で需要不足である以上、政府の財政政策で需要創出する必要がある。ところが、政府は緊縮財政。

緊縮財政を継続したとしても、デフレ脱却が果たせる「道」を、「いわゆるリフレ派政策」は示したのだ。財務省は、さぞや感謝したことだろう。

2025年1月24日、日本銀行は政策金利を0.5%に引き上げた。

… … …(記事全文2,232文字)
  • バックナンバーを購入すると全文読むことができます。

    購入済みの読者はこちらからログインすると全文表示されます。

    ログインする
  • 価格:200円(税込)

    ひと月まとめて購入するとさらにお得です。

    価格:660円(税込)

    2025年1月分をまとめて購入する

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2025年のバックナンバー

2024年のバックナンバー

このマガジンを読んでいる人はこんな本をチェックしています

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2025年2月19日に利用を開始した場合、2025年2月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

利用開始月(今月/来月)について

利用開始月を選択することができます。「今月」を選択した場合、月の途中でもすぐに利用を開始することができます。「来月」を選択した場合、2025年3月1日から利用を開始することができます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、d払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払いをご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

キャリア決済での購読の場合、次のサービスが利用できます。

docomo au softbank

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する