Foomii(フーミー)

週刊三橋貴明 ~新世紀のビッグブラザーへ~

三橋貴明(経世論研究所所長)

三橋貴明

輸入デフレータと物価の上昇

GDPとは我々が働き、財やサービスを生産し、買い手が支出し、我々の所得が生まれるという、一連の所得創出のプロセスにおける、

「生産の合計」

「支出の合計」

「所得の合計」

である。所得創出のプロセスにおいて、生産と支出と所得は必ずイコールになる。これをGDP三面等価の原則と呼ぶ。

もっとも、当初、集計されるGDPは名目値(金額)である。名目GDPの場合、物価が上昇するだけで増えてしまう。

というわけで、名目GDPから物価変動分を控除し、実質のGDPを計算する。経済成長率とは、名目ではなく実質GDPの成長率のことである。

実質GDPを計算する際の物価変動率を「GDPデフレータ」と呼ぶ。

GDPデフレータは、物価の総合的な指標と理解されがちだが、実は厳密には正しくない。

GDPを支出面で見ると、以下の通りとなる。

◆GDP(支出面)=民間最終消費支出+政府最終消費支出+民間住宅+民間企業設備+公的固定資本形成+在庫変動+純輸出

内閣府は支出面の各項目についてデフレータ(物価変動)を集計し、GDPに占める割合で重みづけすることで全体のGDPデフレータを計算している。

例えば、民間最終消費支出であれば、

「民間の消費における物価変動」

を観測し、民間最終消費支出がGDPに占めるシェアにより、GDPデフレータ全体をどれだけ変動させるのかが決まるのだ。

要するに、GDPデフレータとは各需要項目のデフレータの合算なのである。

ところで、純輸出とは「=財・サービスの輸出-財・サービスの輸入」だ。純輸出という需要項目はない。

当然、デフレータも「輸出デフレータ」と「輸入デフレータ」が存在する。輸出する際の物価変動と、輸入物価の変動だ。

… … …(記事全文2,441文字)
  • この記事には続きがあります。全てをお読みになるには、購読が必要です。

    購読中の読者はこちらからログインすると全文表示されます。

    ログインする
  • 価格:200円(税込)

    今月配信済みの記事をお読みになりたい方は定期購読を開始ください。
    お手続き完了と同時に配信済み記事をお届けします。

    定期購読する

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2024年のバックナンバー

このマガジンを読んでいる人はこんな本をチェックしています

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2025年1月19日に利用を開始した場合、2025年1月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

利用開始月(今月/来月)について

利用開始月を選択することができます。「今月」を選択した場合、月の途中でもすぐに利用を開始することができます。「来月」を選択した場合、2025年2月1日から利用を開始することができます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、d払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払いをご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

キャリア決済での購読の場合、次のサービスが利用できます。

docomo au softbank

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する