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週刊三橋貴明 ~新世紀のビッグブラザーへ~

三橋貴明(経世論研究所所長)

三橋貴明

輸出戻し税の真相

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経世論研究所 所長の三橋貴明の

    日本経済のボトルネックを取り去る国家コンサルティング VOL.795

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   ☆☆☆☆☆☆ 日本経済は輸出依存である ☆☆☆☆☆☆

   ☆☆☆☆☆☆ 円高で日本経済は破綻する ☆☆☆☆☆☆

   ☆☆☆☆☆☆ 日本政府は財政破綻する ☆☆☆☆☆☆☆

   ☆☆☆☆☆☆ 日本の内需は絶望的である ☆☆☆☆☆☆

日本の新聞・テレビなどのマスメディアでは、上記のフレーズがあたかも「常

識」のように使われている。しかし、実際に数値データを調べてみると、上記

フレーズは全て根拠が全くない「嘘」であることが判明する。嘘のフレーズが、

まるで湿気を帯びた空気のようにまとわりつき、日本経済成長の「ボトルネッ

ク」と化しているのが現実なのだ。本メルマガでは、正しい数値データに基づ

き各種の「嘘の常識」を暴き、ボトルネックを取り去ることで、日本経済が着

実な成長路線を進めるようコンサルティングを提供する。 三橋貴明

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-輸出戻し税の真相-

元々、消費税は輸出補助金が禁止される中、輸出企業に補助金を出すためにフランスで導入された税金である。

「輸出戻し税」こそが消費税(※欧州では付加価値税)の本質なのだ。

消費税の計算方法は、消費税が10%の場合、

◆消費税=課税売上*10/110-課税仕入*10/110

となる。

企業Aが、企業Bから500円の製品を仕入れ、1000円の製品を販売するケースで考えてみよう。

消費税が導入された結果、企業Aも企業Bも、製品価格を10%分、上乗せした。きちんと価格転嫁をしたわけである。

課税売上が1100円、課税仕入が550円。

(1)消費税=1100円*10/110-550円*10/110

消費税は50円となる。

(1)の損益計算書は、税込み経理方式の場合

 売上 1100円

  売上原価 ▲550円

   粗利益 550円

    未払い消費税 ▲50円

 利益 500円

である。何気に、利益は消費税増税前と変わっていない。

上記の状況から、企業Aが製品を国内と同じ価格で外国に輸出した。その場合、輸出戻し税が発生する。

理由は、計算式の前半が「課税売上*10/110」から「課税売上*0」に変わるためだ。

(2)消費税=1100円*0-550円*10/110

消費税は▲50円となる。結果、50円が輸出戻し税として税務署から還付される。

これが、消費税(=付加価値税)は輸出補助金であると指摘されている所以だ。

(2)の損益計算書を見ると、同じく税込み経理方式の場合

 売上 1100円

  売上原価 ▲550円

   粗利益 550円

    雑所得 50円

 利益 600円

と、利益が100円増えている。上記の雑所得が輸出戻し税だ。輸出戻し税は営業外収益の雑所得として処理される(=経常利益を押し上げる)

(1)と(2)の決定的な違いは、双方ともに価格を10%(1000円→1100円)引き上げたにも関わらず、利益が100円も違ってしまっているという点だ。

消費税導入を受け(1)の通り、企業Aが10%の価格を引き上げたところで、仕入先の企業Bも同じように10%価格を引き上げ、かつ消費税を徴収されると、利益は消費税導入前と変わらない。

企業Aが販売先を外国(=輸出)にするだけで、「消費税が免除される+輸出戻し税」として、利益が20%も(※本ケースでは)増えてしまうのだ。

価格引き上げによる粗利益増で利益が増えているわけではない。粗利益は(1)も(2)も、同じく550円だ。

そこに、輸出戻し税の雑所得が加わるため、最終利益が100円増えるのである。

… … …(記事全文2,888文字)
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