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週刊三橋貴明 ~新世紀のビッグブラザーへ~

三橋貴明(経世論研究所所長)

三橋貴明

人口と経済成長

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経世論研究所 所長の三橋貴明の

    日本経済のボトルネックを取り去る国家コンサルティング VOL.796

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   ☆☆☆☆☆☆ 日本経済は輸出依存である ☆☆☆☆☆☆

   ☆☆☆☆☆☆ 円高で日本経済は破綻する ☆☆☆☆☆☆

   ☆☆☆☆☆☆ 日本政府は財政破綻する ☆☆☆☆☆☆☆

   ☆☆☆☆☆☆ 日本の内需は絶望的である ☆☆☆☆☆☆

日本の新聞・テレビなどのマスメディアでは、上記のフレーズがあたかも「常

識」のように使われている。しかし、実際に数値データを調べてみると、上記

フレーズは全て根拠が全くない「嘘」であることが判明する。嘘のフレーズが、

まるで湿気を帯びた空気のようにまとわりつき、日本経済成長の「ボトルネッ

ク」と化しているのが現実なのだ。本メルマガでは、正しい数値データに基づ

き各種の「嘘の常識」を暴き、ボトルネックを取り去ることで、日本経済が着

実な成長路線を進めるようコンサルティングを提供する。 三橋貴明

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-人口と経済成長-

経済成長とは実質GDPが拡大する経済現象である。

実質GDPを拡大するには、生産者一人当たりの生産量を増やす必要がある。すなわち、生産性の向上だ。

例えば、人口100人の国があったとして、一人が年間に単価1万円の付加価値を100個生産したとする。

この場合、GDPは「1万円x100個x100人」で1億円となる。

翌年、物価が10%上昇した。

名目GDPは単価1.1万円x100個x100人で、1.1億円となる。もっとも、物価が10%上昇しているため、実質GDPは変わらない。

つまりは「経済成長していない」ということになる。

実質GDPを成長させるためには、生産「量」を増やさなければならない。

物価が変動しない状況で、生産量が一人110個に増えた。

名目GDPは単価1万円x110個x100人で、1.1億円。物価は変わっていないため、実質GDPは10%成長だ。

生産者一人当たりの年間の生産が、100個から110個に増え、実質GDPが上昇。生産性向上こそが経済成長をもたらすことが理解できる。

さて、生産者の数が、100人から90人に減った。同時に一人当たり生産「量」が100個から120個に増えた。

名目GDPは、単価1万円x120個x90人で、1億800万円。物価が変動していないため、実質GDPも8%成長となる。

人口が減ったとしても、生産性が伸びれば、経済は成長するのだ。

逆に、生産者の数が100人から110人に増えた。同時に一人当たり生産「量」が100個から90個に減った。

名目GDPは、単価1万円x90個x110人で、9900万円。人口が増えたにも関わらず、経済は10%のマイナス成長。

人口が増えたとしても、生産性が下がると、国民経済は成長しないのだ。

【図 人口減少国の経済成長率】

http://mtdata.jp/data_92.html#population

2023年の総人口が2001年よりも減少している国は、23カ国ある。ちなみに、日本の減少率は「後ろ」から三番目だ。日本よりも人口が減っている国々が20カ国あるのである。

というわけで、2001年以降の人口減少国について、人口減少率と経済成長率をプロットしてみた。ちなみに、ウクライナの人口減少率が30%を超えているが、理由は説明するまでもないだろう。もちろん、ロシア・ウクライナ戦争で、膨大な難民が外国に流出したためである。

図を見て、驚かれた読者が少なくないだろうが、日本よりも激しい人口減少に見舞われながら、平均の経済成長率は高い国が十五カ国もある。「人口が減っていれば、経済成長しない」というならば、この十五カ国は何なのだ。

… … …(記事全文2,744文字)
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