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経世論研究所 所長の三橋貴明の
日本経済のボトルネックを取り去る国家コンサルティング VOL.790
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☆☆☆☆☆☆ 日本経済は輸出依存である ☆☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆☆ 円高で日本経済は破綻する ☆☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆☆ 日本政府は財政破綻する ☆☆☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆☆ 日本の内需は絶望的である ☆☆☆☆☆☆
日本の新聞・テレビなどのマスメディアでは、上記のフレーズがあたかも「常
識」のように使われている。しかし、実際に数値データを調べてみると、上記
フレーズは全て根拠が全くない「嘘」であることが判明する。嘘のフレーズが、
まるで湿気を帯びた空気のようにまとわりつき、日本経済成長の「ボトルネッ
ク」と化しているのが現実なのだ。本メルマガでは、正しい数値データに基づ
き各種の「嘘の常識」を暴き、ボトルネックを取り去ることで、日本経済が着
実な成長路線を進めるようコンサルティングを提供する。 三橋貴明
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-政府のネットの利払費-
日本の財務省は、PB黒字化目標の期限を来年度(25年度)に迎えることを受け、
「国債の利払い費」
に注目を集め、PBに国債利払費を加えた「財政収支の黒字化」へと、目標を変更しようとしている。
もっとも、政府の利払費に焦点を当てた財務省の手法は、墓穴を掘る可能性がある。
理由は、日本政府の「ネット(純)の利払費」は、G7諸国の中でカナダの次に低いためだ。
24年6月4日の参議院財政金融委員会において、財務官僚は西田昌司参議院議員の質問、
「G7諸国の政府のネットの利払い費は何パーセントか?」
という質問に対し、以下のように答えている。
「お答え申し上げます。OECDが本年5月に公表いたしました、最新の経済見通しによりますと、G7諸国の2022年のネットの利払い費の対GDP比について、日本は0.28%、カナダが▲0.36%、ドイツが0.48%、フランスが1.89%、米国が2.98%、イタリアが4.01%、英国が4.02%となっておりまして、G7諸国の中で二番目に低い値になっています。」
G7諸国を中心としたOECD主要国のネットの利払費をグラフ化した。
【2022年 OECD主要国の政府のネット(純)利払費(対GDP比%)】
http://mtdata.jp/data_91.html#OECD
G7諸国に限ると、最もネットの利払費が大きいのがイタリアとイギリスである。
OECD諸国の中では(データが明らかな国において)南アフリカが対GDP比5.5%と、最も数値が大きかった。
カナダは不思議なことに、▲0.36%。ネットの利「払」費がマイナス。つまりは、受け取る金利の方が大きいのである。
グラフでは省略したが、ルクセンブルク、フィンランド、ノルウェー、デンマークもネットの利払費がマイナスだ。
どういうことなのか? あるいは、日本のネットの利払費は、なぜここまで小さいのか。
理由は主に二つある。
週刊三橋貴明 ~新世紀のビッグブラザーへ~
三橋貴明(経世論研究所所長)