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経世論研究所 所長の三橋貴明の
日本経済のボトルネックを取り去る国家コンサルティング VOL.789
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☆☆☆☆☆☆ 日本経済は輸出依存である ☆☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆☆ 円高で日本経済は破綻する ☆☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆☆ 日本政府は財政破綻する ☆☆☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆☆ 日本の内需は絶望的である ☆☆☆☆☆☆
日本の新聞・テレビなどのマスメディアでは、上記のフレーズがあたかも「常
識」のように使われている。しかし、実際に数値データを調べてみると、上記
フレーズは全て根拠が全くない「嘘」であることが判明する。嘘のフレーズが、
まるで湿気を帯びた空気のようにまとわりつき、日本経済成長の「ボトルネッ
ク」と化しているのが現実なのだ。本メルマガでは、正しい数値データに基づ
き各種の「嘘の常識」を暴き、ボトルネックを取り去ることで、日本経済が着
実な成長路線を進めるようコンサルティングを提供する。 三橋貴明
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-ネットの資金需要-
資本主義とは、企業が銀行から資金を借り入れ、投資することで成長する経済モデルである。
つまりは、企業が「負債(借り入れ)」を増やしていない時点で、その国は、
「資本主義が成立していない」
と断言しても構わないのである。
自民党の財政政策検討本部は「「経済財政運営と改革の基本方針2024」に向けた提言」を岸田総理大臣に提出した。
財政政策検討本部は、PB2025年度黒字化固執への反対に続き、
「4.民間部門の貯蓄超過が日本経済の最大の課題である。
5.政府と一般企業のネットの資金需要を新たな財政指標にすべき。」
を提言している。どういうことなのか?
「民間部門の貯蓄超過」とは、日銀統計「資金過不足」における「資金過剰」のことである。
デフレ化以降の日本の一般企業(非金融法人企業)は、資金過不足の「過剰」が続いている。
つまりは、銀行から融資を受けず、それどころか銀行融資を返済し、投資をしていないわけである。
となれば、別の「誰か」が負債(資金不足)を増やさない限り、日本社会全体のマネーストック(主に銀行預金)が減少していくことになる。
貨幣量が減る以上、経済が沈滞しても当然なのである。
というわけで、一般企業と政府の資金過不足の合計を「ネットの資金需要」と呼ぶ。
日本経済は、ネットの資金需要が「対GDP比で▲5%」強にならなければ、安定的な経済成長は見込めない。
【日本のネットの資金需要(右軸)と非金融法人企業・一般政府の資金過不足(左軸)】
http://mtdata.jp/20240608-1.jpg
驚くべきことに、日本は小泉政権期、(第二次)安倍政権期と、ネットの資金需要がプラス化している。
週刊三橋貴明 ~新世紀のビッグブラザーへ~
三橋貴明(経世論研究所所長)