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経世論研究所 所長の三橋貴明の
日本経済のボトルネックを取り去る国家コンサルティング VOL.785
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☆☆☆☆☆☆ 日本経済は輸出依存である ☆☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆☆ 円高で日本経済は破綻する ☆☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆☆ 日本政府は財政破綻する ☆☆☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆☆ 日本の内需は絶望的である ☆☆☆☆☆☆
日本の新聞・テレビなどのマスメディアでは、上記のフレーズがあたかも「常識」のように使われている。しかし、実際に数値データを調べてみると、上記フレーズは全て根拠が全くない「嘘」であることが判明する。嘘のフレーズが、まるで湿気を帯びた空気のようにまとわりつき、日本経済成長の「ボトルネック」と化しているのが現実なのだ。本メルマガでは、正しい数値データに基づき各種の「嘘の常識」を暴き、ボトルネックを取り去ることで、日本経済が着実な成長路線を進めるようコンサルティングを提供する。 三橋貴明
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-現金紙幣発行の仕組み-
2023年末時点で、日本銀行は約129兆円の現金紙幣を発行している。
この現金紙幣、つまりは読者の財布の中に存在する日本銀行券(以下、日銀券)は、どのようなプロセスで社会に流通しているのだろうか。
【図 2024年末時点 日本銀行のバランスシート(兆円)】
http://mtdata.jp/20240518-1.jpg
図の通り、日本銀行のバランスシート(貸借対照表、以下BS)を見ると、「貸方」(※負債・債務を計上する)に現金紙幣(日銀券)が129.37兆円計上されている。
同時に、日銀預け金(※日銀当座預金)が543兆円が貸方に、国債・財投債581兆円が借方(※資産・債権を計上する)に計上されている。
一般の人は、日本銀行は「まずは日銀券を発行する」と理解しているだろう。何しろ、日銀券は、
「印刷する」
ことで発行されるため、イメージしやすいのだ。
現実は異なる。
日銀券発行のためには、まずは日銀当座預金が存在しなければならないのである。
日銀券発行までのプロセスは以下の通りである。1兆円の日銀券が発行されるケースで考えてみよう。
1.日本銀行が市中銀行から1兆円の国債を購入し、日銀当座預金を発行する
【日本銀行のBS】
借方 貸方
国債1兆円 日銀当座預金1兆円
【市中銀行のBS】
借方 貸方
日銀当座預金1兆円 -
2.市中銀行が1兆円の日銀当座預金を日銀券に変える
【日本銀行のBS】
借方 貸方
国債1兆円 現金紙幣1兆円
【市中銀行のBS】
借方 貸方
現金紙幣1兆円 -
上記の通り、市中銀行は自ら保有する資産である「日銀当座預金」を「引き出す」ことで、日銀券を入手する。
BS上では、日銀当座預金が消滅し、現金紙幣に入れ替わる。
市中銀行に運ばれた日銀券は、我々が自らが保有する資産である「銀行預金」を引き出すことで流通していくことになる。
いずれにせよ、まずは「預金」ありきなのである。
週刊三橋貴明 ~新世紀のビッグブラザーへ~
三橋貴明(経世論研究所所長)