… … …(記事全文3,059文字)10月8日、金現物が1オンス(31.1グラム)当たり4,000ドルを突破、日本でも1グラム当たり2万円を超えた。世界の米ドル離れが止まらない。「グレート・リセット」の一環である「金融リセット」が現実味を帯びてきた。
●金価格高騰の本質は「世界の米ドル離れ」
<2025年10月8日 ロイター>
<2025年10月8日 FNNプライム>
金は2008年のリーマンショック(世界金融危機)の余波で2011年9月に1,900ドル超を付けるも、その後約10年間低迷した。そして「グレート・リセット」の第一段階「コロナ“プラン”デミック」(2020年)をきっかけに再び上昇し始めた。2024年は地政学的緊張やインフレ懸念、2025年にはトランプの利下げ圧力や相互関税政策などの不安定要素が加わり、世界の先行き不透明感から安全資産の金が買われ、一気に4,000ドルまで上昇した。
<2025年10月9日 ブルームバーグ「金融危機、コロナパンデミック、貿易戦争が、金を史上最高値に導いた」
ウォール街のプロ投資家たちは、放っておいたら目減りしていくだけの米ドルを、インフレに強い金や不動産やコモディティ(商品)などの実物資産、特に金に換えることを推奨している。
<2025年9月30日 日本経済新聞>
コロナ“プラン”デミック以降、金を積極的に購入しているのは、中国、ロシア、トルコ、ポーランド、インドといったBRICSを中心とした非米同盟国だ。直近では米国と同盟国の欧州各国も準備金の米ドルを売って金を購入している。重要な点は、金とともに安全資産とされてきた「米ドル」と「米国債」が準備金として選ばれなくなっていることだ。
<2025年10月10日 マネーポストWEB>
近年の金価格上昇の正体は米ドルの価値低下だ。金の価値が上がったのではなく、米ドルの価値が下がったのだ。
<2025年4月26日 日本経済新聞>
米ドルの価値希薄化は、米ドルの“非”基軸通貨化、すなわち米国の一極覇権体制終焉が近いことを示唆している。
●相互関税政策はペトロダラー体制崩壊を補えない
大手メディアは言及していないが、世界の米ドル離れの隠れた要因として、ペトロダラー(オイルマネー)体制の崩壊がある。







