… … …(記事全文4,110文字)トランプの相互関税政策が発動からわずか13時間で90日間停止することになったのは、株式だけでなく、米国債と米ドルも売られる「トリプル安」になったからだ。
●想定外?の債券暴落
<2025年4月10日 TBS>
一般的に、株式市場から逃避した資金は主に債券市場に流れ込む。実際、4月2日に相互関税を発表されて株式が暴落すると投資家は債券市場に殺到し、米国債価格は急上昇(=利回りは急低下)した。ここまではトランプも想定通りの展開だったはずだ。
<2025年4月7日 ブルームバーグ>
週明けの7日(月)午前、市場に関税90日間停止の噂が流れた。すると、株価が急反発し、米国債価格は下落(利回りは上昇)した。だが、同日午後にトランプがその噂を否定したため、翌8日の株価は再び下落した。今考えれば、90日間停止を発表した場合どのような反応が起きるかシミュレーションするために、トランプ政権が意図的にリークした噂だったのかもしれない。
<2025年4月8日 日経ビジネス>
<2025年4月9日 ブルームバーグ 株価は8日に再び下落した>
株価が再び下落したので米国債も再び上昇すると思われた。ところが、米国債は売られ続けて下げ止まらなかった。市場関係者は「誰が米国債を売っているのかわからない」と首をひねった。
<2025年4月9日 ブルームバーグ>
<米10年国債価格チャート(日足) 4月7日の週、長期米国債価格は下落し続けた(金利は上昇し続けた)>
国債価格の下落(利回りの上昇)は、その国に対する信頼低下を表し、国の国債利払い費の増加とインフレと自国通貨安を招く。通貨安は輸出企業にとっては望ましいが、全体的には国力低下につながる。
今回起きた「トリプル安」は、MAGAを掲げるトランプにとって、少なくとも現時点では、望ましくなかった。トランプは相互関税90日間を一旦停止せざるを得なくなった。
<2025年4月10日 日経新聞>
問題は、誰が最初に米国債を大量に売ったのか、だ。







