… … …(記事全文2,900文字)たった一人の人間に世界が振り回されている。4月2日、トランプが相互関税導入を発表し世界の株式市場が暴落したと思ったら、9日の相互関税90日間停止発表で、市場は一転急騰した。交渉相手を振り回すディールはトランプの真骨頂だが、トランプの高関税政策の目的は、米国の貿易赤字解消や製造業復活だけではない。ましてや大手メディアが報じるような中国潰しでもない。隠された真の目的は「世界の多極化」と「金融のグレートリセット」だ。
●米中報復合戦は「相互了解」
<2025年4月10日 時事通信>
日本を始め世界各国はトランプの強硬姿勢に怖気づいて我先にと交渉を求めているが、その中で唯一、真っ向反発したのが中国だ。中国はトランプの高関税に対する報復措置として米国製品に84%の追加関税発表した。するとトランプも負けじと対中関税を125%に引き上げ、中国がハリウッド映画の輸入本数を減らすと発表すれば、米国は145%に再び引き上げるなど、報復合戦がヒートアップしている。
<2025年4月10日 TBS NEWS>
<2025年4月11日 NHK>
この状況を大手メディアは「折れない中国にトランプも激怒」と報じ、米中の対立を煽っている。
<2025年4月8日 朝日新聞>
だが、ゼレンスキーとの“世紀の公開口論”がそうだったように、これもトランプ流の芝居だ。思い返せば、第一期トランプ政権の時も米中貿易摩擦は深刻化したが、トランプと習近平の良好な関係は維持された。
そしていまもトランプは「習近平は好きだ」と公言してはばからない。
<2025年2月11日 朝日新聞 彼らは何を話したのだろうか?>
<2025年4月10日 中国問題グローバル研究所>
<2025年4月10日 BBC>
●相互関税は「中国への贈り物」
実はトランプも習近平も互いを敵とは思っていない。真の敵は自国内の対立勢力、すなわちトランプの敵は左翼勢力の集合体であるDS(ディープステート)、習近平の敵は江沢民派だ。米中の過激な貿易摩擦はその相互理解のもとに行なわれている。
ただし、米中の報復合戦というチキンレースで分があるのは中国だ。







