… … …(記事全文2,407文字)「覇権国米国にたてつく政治家は抹殺される」、とはかなり前から折りにふれ流れる永田町界隈の神話である。
例を挙げると、1997年7月に「米国債を売りたい誘惑に駆られたことがある」とニューヨークで公言した橋本龍太郎首相(当時)はホワイトハウスと米議会有力者を激怒させたあと、政治的影響力を失った。
2008年10月、リーマンショックで米金融市場が揺れる中で、「日本は黙って米国の現金自動支払機(ATM)になるつもりはない」とホワイトハウスにメッセージを出した中川昭一財務相(当時)は翌年2月に酩酊した状態で記者会見したあと辞任し、同年失意のまま亡くなった(詳しくは拙著「亡国のザイム原理主義」参照)。