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増田悦佐(エコノミスト・文明評論家)

増田悦佐

マグニフィセント7は化けもの屋敷 後篇

●   米株市場にブラックスワン降臨


日本時間で1月27日、アメリカ株式市場超弩級のブラックスワンが舞い降りました。

中国の小さなAIベンチャー、ディープシーク社が、アメリカの競合ブランドよりはるかに割安で、しかも性能ではオープンAI社の最新鋭モデルチャットGPT-o1などと比べてもほとんど遜色のない機種、ディープシークR1を公開したのです。



なにしろ、性能は100点満点でチャットGPT-o1が90点に対して1点少ないだけの89点、100万トークン当たりの使用料は入力でも出力でも約30分の1というのですから、株式市場関係者の中でもAI関連銘柄にくわしい人ほどびっくり仰天しました。

低コスト化の要点はとにかくムダを省きなるべく演算回数を少なくするという平凡な方針で、高いGPU(グラフィックス・プロセシング・ユニット)の性能や個数も控えめに抑え、消費電力も安上がりになりました。

これがどんなに大きな衝撃だったかは、GPU最大手で、アップルがハイテクから老テクにかわってしまったためにマグニフィセント7の中でも時価総額最高銘柄になり上がっていたエヌヴィディアの株価推移にはっきり表われています。

次にご紹介する時価総額暴落ワースト10の表は、アメリカ東海岸時間ではまだ午前11時に作成されたもので、この時点でエヌヴィディアが喪失した時価総額は約14%にとどまっていました。



エヌヴィディア株はその後もだらだら下げ続け、結局終値では約17%安で引け、失った時価総額は、これも自社が持っている第2位の記録、2790億ドルのほぼ正確に2倍となりました。

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