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世界情勢ブリーフィング

JD(国際政治・経済の研究者、作家、元外交官)

JD

世界情勢ブリーフィング 第812号 今週の動き(3/2~8)米・ウクライナ首脳会談の決裂

2025年3月3日発行(通算第812号)

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世界情勢ブリーフィング

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今週の「今週の動き」は諸事情により休刊の予定でしたが、トランプとゼレンスキーの会談が決裂するという衝撃的な出来事があったため、取り急ぎこの点についてコメントします。トランプ関税、DOGE、ドイツ総選挙など、その他の重要なイシューについては、後日あらためて解説をお届けします。


【目次】


1.先週の動き

 ● 米・ウクライナ首脳会談の決裂

2.今週の動き

3.読者からの質問

4.近況報告

5.バックナンバー

6.あとがき


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先週の動き

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2/23(日)

・トランプ大統領が保守系ポッドキャストの司会者ダン・ボンジーノをFBI副長官に指名

・ドイツ総選挙(1位CDU/CSU、2位AfD、3位SPD)


2/24(月)

・ロシアのウクライナ侵攻から3年

・国連総会がロシア・ウクライナ戦争の年内終結を求める決議を可決(米ロは反対)

・国連安保理が米国提案のロシア・ウクライナ戦争の早期終結を求める決議を可決(英仏は反対)

・G7首脳会議(ウクライナのゼレンスキー大統領も参加)(オンライン)

・米仏首脳会談(ワシントンDC)

・中ロ首脳電話会談

・中国全人代常務委員会(北京、~25日)

・EU外相理事会(ブリュッセル)

・英国とEUがロシアへの追加制裁を発表


2/25(火)

・トランプ大統領が銅の輸入の安全保障に与える影響の調査を商務長官に指示する大統領令に署名

・米下院が25会計年度(24年10月~25年9月)の予算決議案を可決

・米政府効率化省(DOGE)の職員21人が退職

・米・タイ主導の多国間合同軍事演習「コブラゴールド」(タイ、~3/7)

・韓国の尹錫悦大統領の弾劾審判の結審

・シリアで国民対話会議が開催(ダマスカス)


2/26(水)

・トランプ大統領が2月28日にウクライナのゼレンスキー大統領と資源権益の協定案に署名すると表明

・トランプ大統領がベネズエラでのシェブロンの事業許可を取り消す方針を表明

・トランプ政権の初の閣議

・米上院がグリア元USTR首席補佐官のUSTR代表就任を承認

・G20財務相・中銀総裁会議(ベッセント財務長官は欠席)(ケープタウン、~27日)


2/27(木)

・トランプ大統領が3月4日に中国に10%の追加関税を課すと表明

・米英首脳会談(ワシントンDC)

・米ロ政府高官の在外公館の正常化を目的とした協議(イスタンブール)

・トルコのクルド労働者党(PKK)のオジャラン指導者がトルコ政府との戦闘をやめて組織を解散すると表明


2/28(金)

・米・ウクライナ首脳会談(ワシントンDC)

・中国の習近平国家主席とロシアのショイグ安全保障会議書記が会談(北京)


3/1(土)

・英・ウクライナ首脳会談(ロンドン)


●米・ウクライナ首脳会談の決裂


ウクライナのゼレンスキー大統領が訪米し、ホワイトハウスでトランプ大統領と会談しました。両首脳は、ウクライナの鉱物資源開発に関する合意に署名する予定でした。


しかし、記者団を入れた会談で、トランプとヴァンス副大統領はゼレンスキー大統領と激しく口論しました。その結果、両首脳は鉱物資源合意への署名を見送り、その後の昼食会と共同記者会見も中止されました。


会談後、トランプは記者団に対し、ゼレンスキーは「和平を望む人物ではない」と批判し、プーチン大統領は停戦を望んでおり、プーチンに対して否定的なことを言う必要はないとも述べました。SNSでも、ゼレンスキーは「和平の準備ができていない。準備ができたら戻ってくればよい」と投稿。ルビオ国務長官やリンゼー・グラム上院議員ら多数の共和党議員もゼレンスキーを非難しました。


一方、ゼレンスキーは会談後、SNSに「トランプ大統領にも米議会にも米国民にも感謝する」と投稿。FOXの番組では、口論したのは「良くなかった」と認めつつも、トランプとの関係は修復可能との認識を示しました。また、トランプに謝罪する考えがあるかと問われると、「いや、我々は非常にオープンで率直である必要があると思う。何か悪いことをしたとは考えていない」として、謝罪は不要との認識を示しました。


メディアの前で公然と激しく口論するという前代未聞の首脳会談となりましたが、なぜこのような事態に至ったのか。そして今後の展望はどうなるのか。これらの点について解説します。

… … …(記事全文9,419文字)
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