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世界情勢ブリーフィング

JD(国際政治・経済の研究者、作家、元外交官)

JD

世界情勢ブリーフィング 第813号 今週の動き(3/9~15)トランプの貿易戦争、トランプの施政方針演説、ロシア・ウクライナの停戦交渉、DOGEの改革

2025年3月10日発行(通算第813号)

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世界情勢ブリーフィング

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さて、今週もトランプ政権です。ついに始まった貿易戦争、トランプの施政方針演説、ウクライナ情勢、そしてイーロン・マスク率いるDOGEの改革のインパクトを取り上げます。


【目次】


1.先週の動き

(1)トランプの貿易戦争の幕開け

(2)トランプの施政方針演説

(3)トランプとロシア・ウクライナの停戦交渉

(4)DOGEの行政改革

2.今週の動き

3.近況報告

4.あとがき


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先週の動き

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3/2(日)

・欧州主要国のウクライナ情勢に関する首脳会合(ロンドン)

・ドイツのハンブルク市議会選挙(SPDが第1党を維持)

・イスラエルがガザの停戦を4月下旬まで延長する米国の提案を承諾したと発表

・アカデミー賞授賞式(ロサンゼルス)


3/3(月)

・トランプ大統領がウクライナへの武器供与の一時停止を指示

・トランプ大統領とTSMCの魏哲家CEOがTSMCは米国に新たに1,000億ドルを投資すると発表

・USTRが年次報告書と「大統領の2025年貿易政策アジェンダ」を発表

・OPECプラス会合(オンライン)

・IAEA定例理事会(ウィーン、~7日)


3/4(火)

・トランプ大統領の施政方針演説

・米国が中国に10%、カナダとメキシコに25%の追加関税を賦課(中国とカナダは報復関税を発表)

・ブラックロック傘下のインフラ投資会社ブラックロック・インフラストラクチャー・パートナーズとスイスの投資会社ターミナル・インベストメントがCKハチソンの子会社ハチソン・ポーツからパナマ運河の港湾事業の支配権90%の取得で合意

・中国の第14期人民政治協商会議(政協)第3回会議の開幕(北京)

・EUのフォンデアライエン欧州委員長が「欧州再軍備計画」を発表

・アラブ連盟首脳会議(カイロ)


3/5(水)

・米・カナダ首脳電話会談

・米国がカナダとメキシコへの25%の追加関税について自動車の1か月間の適用除外を発表

・トランプ大統領がウクライナとの情報共有の一時停止を指示

・中国の第14期全国人民代表大会(全人代)第3回会議の開幕(北京)

・フランスのマクロン大統領がフランスの核抑止力の欧州への拡大を検討すると表明


3/6(木)

・米・メキシコ首脳電話会談

・米国がカナダとメキシコへの25%の追加関税についてUSMCA適用輸入品の4月2日までの適用除外を発表

・トランプ大統領が日米安保条約への不満を表明

・トランプ大統領が暗号資産の戦略的備蓄に関する大統領令に署名

・中国とウクライナがウクライナ産の農水産物の対中輸出を増やすための議定書に署名

・香港終審法院が香港国安法違反の罪で有罪判決を受けた民主派団体「香港市民愛国民主運動支援連合会(支連会)」の鄒幸彤元幹部ら3人に無罪判決

・EU特別首脳会議(「欧州再軍備計画」の大筋合意)(ブリュッセル)

・ECB定例理事会(フランクフルト)

・ロシアのプーチン大統領が外務省のダルチエフ北米局長を駐米大使に任命


3/7(金)

・トランプ大統領が3月5日にイランのハメネイ最高指導者に書簡を送ったとFoxのインタビューで発言

・トランプ大統領がドイツ駐留米軍の撤退とハンガリーへの再配備を検討しているとの報道

・トランプ大統領がホワイトハウスで「仮想通貨サミット」を開催

・米国家地球空間情報局がウクライナへの商業衛星画像の利用へのアクセスの一時停止を発表

・米司法省を含む4省庁がコロンビア大学への助成金4億ドルの取消を発表

・韓国のソウル中央地裁が尹錫悦大統領の勾留を取消し

・日英外務・経済担当閣僚協議(経済版2+2)(東京)


3/8(土)

・中国がカナダの農水産物に最大100%の追加関税を課すと発表

・韓国の尹錫悦大統領がソウル拘置所から釈放


●トランプの貿易戦争の幕開け


トランプ政権は3月4日、カナダとメキシコからの輸入品に対する25%の追加関税を発動しました。中国には2月4日に10%の追加関税を発動していましたが(以下の記事参照)、これを20%に引き上げました。


・「トランプの関税攻勢の始まり」(2/7)

 https://guccipost.co.jp/blog/jd/?p=11151


これを受け、中国は報復措置として、小麦やトウモロコシなどに10~15%の追加関税を課し、米企業への制裁を発表しました。カナダは、米国からの輸入品に25%の追加関税を課すとして、まず300億カナダドル相当の製品への関税を発動し、残り1,250億カナダドル相当の製品への関税は21日以内に発動すると発表しました。メキシコも、3月9日に報復措置を発表すると表明しました。


ところが翌日、トランプ政権はカナダとメキシコへの追加関税の対象について、自動車を一時的に除外すると発表しました。さらにその翌日には、USMCAが適用される製品も4月2日まで除外すると発表しました。これを受け、カナダは第2弾の報復関税の発動を4月2日まで延期し、メキシコは報復措置の発表を取りやめました。


トランプ政権の追加関税の発動は衝撃を与えましたが、わずか2日間で大幅に変更されるなど、その政策は激しく揺れ動き、マーケットにも多大な影響を与えました。一連の動きを分析した上で、今後の展望について解説します。

… … …(記事全文13,874文字)
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