… … …(記事全文2,767文字)日本政府が「ロシアへの渡航中止勧告」を発令しているにもかかわらず、鈴木宗男参議院議員が10月1日~5日の日程でモスクワを訪問しました。その狙いは何だったのでしょうか?鈴木議員は長年培ってきた独自のロシア人脈を駆使して、日本の外務省への便宜供与などを頼みにせず、ロシア外務省に乗り込み、日本やウクライナを担当する次官ら政府高官と意見交換をしてきたといいます。
日本のテレビや新聞では「鈴木議員はロシアの肩を持ち過ぎだ。ウクライナへの軍事侵攻を容認するのは如何なものか」といった論調が主流になっています。とはいえ、喧嘩両成敗ではありませんが、ウクライナにもロシアにも双方の言い分があることは否定できません。ところが、アメリカ発の情報に影響を受けているせいか、日本では「ウクライナが善、ロシアが悪」といった、一方的な色分けがなされているようです。
これでは、ウクライナ戦争を停戦に持ち込むような「縁の下の力持ち」的外交は望むべくもありません。ロシアを非難し、ウクライナへの経済・軍事的な支援を継続しつつあるアメリカですら、水面下ではロシアとの交渉を継続しています。アメリカの宇宙開発計画にとってはロシアの協力は欠かせないほどで、国際宇宙ステーションの運営管理もロシア抜きには成り立たない状況です。
浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス
浜田和幸(国際政治経済学者)