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山田順の「週刊:未来地図」
No.686 2023/09/19
1年後に迫った米大統領選:
トランプ復権が“悪夢”となるこれだけの理由
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ウクライナ戦争の長期化、中国経済の失速、分断が進むアメリカ、グローバルサウスの台頭、地球温暖化の加速----混沌とする世界は、今後どうなっていくのか?
それを考えると、やはり最大のポイントとなるのは、1年後に迫ったアメリカ大統領選挙だろう。
いまのところ、バイデンVS トランプの再戦という図式だが、はたして本当にそうなるのだろうか? それにしても、不利な材料が山積みなのに、なぜ、トランプの支持率は高いのだろうか?トランプが返り咲くというようなことがあるのだろうか? もし、そんなことになったら、それは世界にとっても、日本にとっても“悪夢”としか言いようがない。
[目次] ─────────────────────
■まだ1年あるが「高齢対決」で決まりか?
■白人の多いアイオワでは支持を得られない
■対抗馬の一番手はケネディ・ジュニア
■バイデンが抱える2つの厄介の問題とは?
■余裕で拘置所に出頭、テレビ討論会は欠席
■2位に40ポイント差のダントツの支持率
■トランプが起訴された4つの罪とは?
■裁判を引き伸ばし大統領になって自分に恩赦
■激戦州3州の結果で勝敗はどちらにも転ぶ
■なぜそこまでトランプを支持するのか?
■棍棒を振りかざし譲歩を迫るトランプ外交
■民主主義、基本的人権、政治体制、頭になし
■直ちに停戦し、ウクライナを支援しない
■間違いなく「パリ協定」から再離脱する
■いまや誰もトランプの暴走を止められない
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■まだ1年あるが「高齢対決」で決まりか?
アメリカ大統領選挙は、来年、2024年11月5日に行われる。あと1年余りあるが、すでに選挙戦は序盤戦に入り、年が明ければ一気に本格化する。
民主共和両党の候補者は、「予備選挙」(primary)と「党員集会」(caucus)による指名争いを戦い、3月の「スーパーチューズデー」で、ほぼ確定する。
いまのところ、民主党は現役バイデン大統領、共和党はトランプ前大統領になる見込みだ。
「本当にそれでいいのか」「就任時にはバイデンは82歳、トランプは78歳になる。前代未聞の高齢対決ではないか」 という声がある。
しかし、どうしてどうして、2人ともやる気十分なのだから、これはどうしようもない。バイデンにもトランプにも有力な対抗馬がいないうえ、新星も登場していない。
とくにバイデンは、このままいけば間違いなく指名されるだろう。というのも、今回の大統領選の指名争いレースの初戦を、民主党はアイオワ州からウスカロライナ州に変更してしまったからだ(共和党は変更していない)。