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山田順の「週刊:未来地図」
No.684 2023/09/05
間もなく終幕する”東芝劇場”
「保身第一主義」が日本企業をダメにした!
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先週来、そごう・西武は、米投資ファンドへの売却をめぐって、西武池袋本店でストライキが起こるなど、世間を大きく騒がせている。メディアの論調はストに同情的で、投資ファンドに対しては批判的だ。
しかし、会社が売り買いされるのは、資本主義である以上当たり前のこと。投資ファンドを敵視すればするほど、日本企業は衰退していく。
そこで思うのが、いま進んでいる東芝のM&Aによる解体劇場。一部報道は、このM&Aが東芝復活のラストチャンスになると言っているが、そうはいかないだろう。東芝の解体は、政府と組んで「保身」に走った日本の大企業の凋落の象徴である。なにしろ、東芝は54億ドルで買った会社「ウェスティングハウス」(WH)をたった1ドルで売却し、その後、WHは投資ファンドによって再生され、78億ドルで売れたのだ。こんな、馬鹿げた話はありえない。
[目次] ─────────────────────
■結局8500万円で叩き売られる
■労働組合のストライキにメデイアは同情的
■「再建のラストチャンス」という報道
■経営陣がアクティビストを自ら引き入れた
■アクティビストはまだ企業価値があると判断
■54億ドルで買った会社を1ドルで売却
■東芝を凋落させた「戦犯」は誰か?
■残った優良資産は少なく負債は巨額
■東芝の凋落は日本企業の凋落の縮図か?
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