━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.619 2022/07/05 女が逃げ出し男が余る 「超独身社会」が地方から日本を崩壊させる ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2022070509000096504 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-96577.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 最近ようやく、「高齢社会」「人口減社会」の現実が、具体的に語られるようになった。しかし、その背景には、同時に進んでいるもっと深刻な現象がある。それは、地方から若い女性がどんどんいなくなっていることだ。 その結果、地方ではいま「男余り」が深刻化している。その結果、2040年には独身人口が全人口の47%に達すると言われている。現在、男性ばかりか、女性も含めて、生涯未婚率は上昇の一途で、すでに「1人で生きること」が当たり前の社会になっている。 このまま行くと、日本は「超独身社会」になり、地方から従来の日本社会は崩壊していく。 [目次] ────────────────────────────── ■コロナ禍が東京の転入超過減少に拍車 ■なぜ若い女性は東京を目指すのか? ■東京の女性の5人に1人は生涯未婚 ■地方は女性が少なく空前の「男余り」 ■2040年、独身人口が全人口の47%に ■生涯未婚率1位は東京ではなく高知 ■“やりがいのある仕事がない” ■根本問題は日本の「女性差別社会」に ■地方だけでなく日本を捨てる女性たち ────────────────────────────────── ■コロナ禍が東京の転入超過減少に拍車 コロナ禍になって2年半が過ぎ、東京の人口動態に大きな変化が見られるようになった。まず、テレワークなどが進んだため、これまでのような人口流入に歯止めがかかったことだ。転入が転出を上回る「転入超過」は、2021年、これまででもっとも差が縮小した。 この傾向が今年も続くとしたら、東京は初めて人口減に見舞われるかもしれない。 総務省の「人口移動報告」にると、2021年の1年間は、転入者が転出者を5433人上回った。しかし、この5433人という数は、現在の方法で統計を取り始めた2014年以降、もっとも少ない人数なのである。 人口減にもかかわらず、これまで東京の人口は増え続け、東京一極集中が続いてきた。しかし、その傾向に陰りが出始め、コロナ禍がそれに拍車をかけた。それが、転入超過数の減少である。 しかし、その中身を見ると、驚くべき現象が見られる。それは、転入・転出者に男女差があることだ。男性より、女性のほうが多く転入しているのだ。 ■なぜ若い女性は東京を目指すのか? 2021年の東京への転入者は、男性が22万2220人、女性が19万7947人。いっぽう、転出者は、男性が22万3564人で、女性は19万1170人である。これを男女別に「転入−転出」で見ると、男性は1344人の転出超過になっているのに対し、女性のほうは6777人の転入超過になっている。… … …(記事全文5,881文字)