━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」 No.611 2022/05/31 「フェイクほど拡散する」SNS時代 踊らされない、投資に失敗しない方法とは? ウェブで読む:https://foomii.com/00065/2022053109000095165 EPUBダウンロード:https://foomii.com/00065-95255.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 最近つくづく思うのは、ネットに流されるフェイク情報を信じる人が本当に多くなったということ。新型コロナにしても、ウクライナ戦争にしても、実際はなにが正しい情報なのかわからない。 最近、行われたフィリピン大統領選挙にしても、SNSを駆使してフェイク情報を流し続けた独裁者の息子が圧勝してしまった。アメリカでは、トランプ前大統領のときから「Qアノン」だの「ディープステート」だのと、まさにフェイクニュースの全盛時代になり、それらに踊らされる人々が激増している。個人投資家たちも、こうした情報に踊らされ、投資に失敗している。 いったいなぜ、こんなふうになってしまったのだろうか? [目次] ────────────────────────────── ■見当違いのツイッター買収反対意見 ■「ネットの自由」は守らねばならない ■フィリピン新大統領は独裁者の息子 ■いまも鮮やかな独裁者マルコスの追放劇 ■過去を虚飾しSNSで徹底して訴える ■情報量があまりに多すぎて思考停止に ■現代の戦争の第6の領域は人間の脳 ■フェイクのほうが真実より速く拡散する ■SNSにはまると「スマホ依存症」になる ■この世界には黒幕がいるという陰謀論 ■ナポレンの敗戦を知って英国債を逆売り ■世界的な投資家は自分の目しか信じない ■敗戦を知ったネイサンがまずしたことは? ■事実から得られる教訓はいまも通用する ────────────────────────────────── ■見当違いのツイッター買収反対意見 先日、テレビを見ていて驚いたのは、『そこまで言って委員会NP』で落語家の立川志らくが、ツイッターを買収したイーロン・マスク氏についてどう思うか?と質問され、こう答えたことだ。 「ツイッターを買収して『ツイッターは自由にやらせるんだ』と。ツイッターこそ規制してほしいじゃないですか。芸能人とか政治家はみんな実名でやってんのに、一般の人は匿名で言いたい放題で。自由を与えると責任って問題が出てくるから、人の心うんぬんがちょっとわからないような、天才肌の人は本当はツイッターなんかは買収してほしくないですね」 要するに、彼は「ツイッターのようなSNSはもっと規制すべきだ」と主張したのだ。 私はこの意見には反対である。なぜなら、彼の意見は規制強化だから、反民主主義、反自由主義であり、自ら進んで自由を奪ってくださいと言っているに等しいからだ。もっと言えば「言論弾圧」に賛成ということだ。… … …(記事全文8,504文字)