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山田順の「週刊:未来地図」 ― 日本は、世界は、今後どうなっていくのでしょうか? 主に経済面から日々の出来事を最新情報を元に的確に分析し、未来を見据えます。

山田順(ジャーナリスト・作家)

山田順

日米ともに税制を強化し社会主義国家に。ジム•ロジャーズの警告!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━       山田順のメールマガジン「週刊:未来地図」    No.050 2013/08/20  日米ともに税制を強化し社会主義国家に。ジム•ロジャーズの警告!     ウェブで読む:http://foomii.com/00065/2013082009000016971     EPUBダウンロード:http://foomii.com/00065-17642.epub ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    すでに一部の人間は、アメリカの税務政策が大きく変わり、それに付随して日本も大きな影響を受けるのを懸念しています。いったい、なにが変わろうとしているのでしょうか?   今回は、冒険投資家ジム•ロジャーズ氏の新刊本を入り口にして、アメリカの変貌、日本の対応、そして、その先にある未来を考えてみます。 [目次]────────────────────────────────── ■祖国アメリカの未来に悲観的な冒険投資家 ■グリーンスパン、バーナンキが大嫌い ■政府が、経済の自由、国民の自由を奪い始めた ■外国口座税法順守法(FATCA)はなぜできたのか? ■アメリカにおける「出国税」強化の経緯 ■旧東独や北朝鮮やキューバ、イラン、旧ソ連と同じ ■「国外財産調書制度」と「FATCA」はリンクする ■アメリカは世界で類を見ない厳しい税法の国 ■FATCAによりスイスの金融機関は総崩れ ■今年の10月より「税務行政執行共助条約」が発効 ■オフショアを使った節税スキーム ■「五つの国旗論」と相続税という不公平税 ■カリフォルニアの方が中国より共産主義的 ■日本に大切なのは少子化対策と移民受け入れ ────────────────────────────────────── ■祖国アメリカの未来に悲観的な冒険投資家  ジム•ロジャーズ氏の新刊『冒険投資家ジム・ロジャーズのストリート・スマート――市場の英知で時代を読み解く』(神田由布子訳、ソフトバンク・クリエイティブ)は、本当に刺激的な本だ。  もともと私は彼のファンだが、今回の本は彼の本音と価値観、世界に対する考え方がよくわかって、非常に興味深い。そして、もっとも驚いたのが、彼がアメリカの将来に対して本当に悲観的だということだ。  ジム•ロジャーズ氏が、現在、家族とともにシンガポールで暮らしていることは有名だ。彼がニューヨークを引き払いシンガポールに行ったのは、もう6年も前の2007年のことだった。それ以前から彼は、アメリカの将来に対してたびたび疑問を呈していたが、今回の本の中では、もっと踏み込んでこうまで言っている。 「今後10年以内にアメリカのシステム全体が崩壊するだろう。」(P162)  つまり、彼は崩壊過程に入ったアメリカより、発展するシンガポールを選んだことになる。だから、はっきりこう述べている。 「19世紀の初めなら賢い人間はロンドンに行っただろう。20世紀の初めならニューヨークに移り住んだはずだ。そして21世紀が始まったばかりのこの時期、賢い人はアジアに向かう。」(P10)  確かにそのとおりである。しかし、ロジャーズ氏が、なぜ祖国アメリカの未来をこれほどまでに悲観するのか? その理由とはなんなのだろうか? ■グリーンスパン、バーナンキが大嫌い    とりあえず、本の中から、彼のアメリカに対する考え方がわかる部分を、いくつか挙げてみよう。 「アメリカを脳死状態にしてしまったワシントンの住人たちが編成しているのは無能者の巨大オーケストラで、その筆頭格が19年間指揮者を務めてきた例の男である。」(P143)  この例の男とは、グリーンスパン前FRB議長である。ジム•ロジャーズ氏は、グリーンスパン氏の政策が徹底的に気に入らなかったらしい。また、その後継者の現FRB議長のバーナンキ氏にはいたっては、完全に無能だと思っているようだ。 「2002年、連邦準備制度理事会に加わったあとにワシントンで開かれたナショナル・エコノミスト・クラブの演説で、バーナンキが自らの金融政策アプローチについて以下のような概略を述べたのは有名である。  アメリカ政府には輪転機というテクノロジーがあり、今日ではエレクトロニクス化されています。したがって、実質的にはノーコストで好きなだけドル紙幣が印刷できます。結論を申せば、紙幣制度において、断固意を決した政府は常により多くの消費を生み出し、したがって前向きなインフレをもたらすことができます。」(P146〜147)
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