… … …(記事全文2,935文字)<プラチナ相場、金相場と歩調を合わせた値上がり>
NYMEXプラチナ先物相場は、今年最高値圏まで上昇している。7月21日の1オンス=1,511.40ドルまで値上がりした後は、調整売りで8月1日の1,271.10ドルまで値下がりした。しかし、8月下旬以降は金相場が改めて騰勢を強めていることもあり、プラチナ相場も物色されている。1,400ドル台では戻り売りを仕掛ける動きも強かったが、9月23日の高値は1,508.70ドルに達し、改めて高値を更新する動きに発展するのかが打診されている。
【NYMEXプラチナ先物相場(日足)】
9月16~17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)と前後して、米連邦準備制度(FRB)の利下げを織り込む動きが強化されている。米金利、ドルに対する下押し圧力は限定されているが、高インフレ環境で利下げが始まることに対する警戒感は強い。9月23日にパウエルFRB議長は講演で、短期的にはインフレに上向きのリスク、雇用に下向きのリスクがある厳しい状況にあるため、「リスクの全くない道は存在しない」と警告を発している。スタグフレーション傾向が強くなっている以上、インフレか雇用かどちらかのリスクを受け入れざるを得ない状況にある。安全資産である貴金属に対する投資ニーズが高まりやすい環境が再確認されている。

