… … …(記事全文3,641文字)<揺れ動く米金融政策見通しと金相場>
COMEX金先物相場は高値波乱の展開が続いている。マーケットの関心は通商環境から米金融政策環境にシフトしつつあるが、その米金融政策の見通しに不透明感が強く、思惑先行の乱高下が繰り返されている。米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げに懐疑的な見方から1オンス=3,300ドル水準まで下押しされた後、8月1日に発表された7月米雇用統計が低調な数値になると、早期利下げ期待を背景に3,400ドル台を回復している。ただし、最近の取引レンジ内での値動きであり、上下双方に明確なトレンドを打ち出せていない。
【COMEX金先物相場(日足)】
米国では7月29~30日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、その後はインフレと雇用指標の発表と続いたが、短い時間間隔で米金融政策見通しは大きく揺れ動いている。徐々に利下げの議論が強化されていることは間違いないが、根強いインフレ圧力とさらにインフレが高進するリスクから、まだ利下げ時期を巡っては多くの不透明感が残された状態にある。