□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年8月4日(木)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== OPECプラスが9月に日量10万バレルだけの増産を決めた意味と影響 =================================== <OPECプラスは9月に日量10万バレルの増産決定> 石油輸出国機構(OPEC)プラスは8月3日に開催した閣僚級会合において、9月の生産枠を日量10万バレル引き上げることを決定した。7月と8月はそれぞれ64.8万バレルの引き上げを決定していたが、9月は一気に増産ペースを鈍化させることになる。OPECプラスはなぜ日量10万バレルにしたのか明確な説明を行っていないが、需要環境・見通しの急激な悪化、原油価格水準の切り下がりを受けて、従来のような大規模な生産枠引き上げは不要と判断した模様だ。Reutersなどでは、今会合は生産枠の据え置き、もしくは小幅引き上げで調整が行われていると報じられていたため、サプライズ感の乏しい無難な結果になったと言える。 一方、今会合においては米国の強力な増産要請に対して、OPECプラスがどのような態度表明を行うのかが注目されていた。バイデン米大統領は7月中旬にサウジアラビアを含む中東を訪問し、産油国に対して増産対応を要請していた。インフレが米経済における大きなリスク要因になる中、中東訪問で増産対応を引き出し、それによってガソリン価格低下を促したことを「成果」として、秋の中間選挙に臨みたいとの計算もあったのだろう。… … …(記事全文3,574文字)
