□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年7月22日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 鉱山会社にとっても想定外だった、金属市場の急激なセンチメント悪化 =================================== <需要ショックと需要不安との間に距離感> NYMEXプラチナ先物相場は7月14日の1オンス=806.70ドルで下げ一服となるも、その後も830~870ドル水準で上値を抑えられる展開が続いている。6月6日の1,038.30ドルを直近高値に需要不安を織り込む形で大きく値位置を切り下げていたが、短期的な過熱感や値ごろ感から押し目買いやショートカバー(買い戻し)を入れる動きが下値を支えている。一方で、改めてプラチナ相場を本格的に押し上げるようなテーマは欠いており、約2年ぶりの安値圏で揉み合う展開になっている。2年前の2020年6月は、まさに新型コロナウイルスのパンデミックが中国から世界各地に広がり始めたタイミングであり、現在のプラチナ相場はその当時と同水準の安値圏に抑制された状態になっている。 こうした値動きは銅を筆頭とする非鉄金属相場とも共通している。6月下旬以降に世界経済の減速懸念、更に中国の新型コロナウイルスの感染拡大を需要リスクとして消化する形で急落していたが、パニック的な急落地合に対しては修正ニーズも見られる。ただ、非鉄金属相場も下値切り下げは一服したものの反発力は鈍く、安値ボックス傾向を強めている。… … …(記事全文3,068文字)