□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年7月5日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 低在庫環境の支援が続く天然ゴム、リセッションの懸念でも底固さを維持 =================================== <国内在庫低迷でゴム相場は底固い> JPX天然ゴム先物相場は、1㎏=250円台中盤から後半で揉み合う展開になっている。リセッション(景気後退)に対する警戒感からコモディティ市場は全般的に不安定な値動きを見せているが、ゴム相場に関してはそうした動きと関係なく底固さを維持している。薄商いで急騰するまでの勢いは見られず、直近安値は6月16日の252.50円、高値は6月29日の261.00円とボックス傾向が強いが、明確なリスクオフ環境で値を保っていることは高く評価すべきだろう。 こうした値動きに関しては、国内在庫環境から説明がつく。大阪取引所の生ゴム指定倉庫在庫は、2月28日の8,213トンをピークに、直近の6月20日時点では6,513トンまで減少している。約4ヵ月間で在庫の20.7%が喪失されている状況が、ゴム相場を下支えしている。この在庫統計は10日単位で発表されているが、過去5旬(50日)連続で減少中であり、前年同期の8,503トンも23.4%下回っている。明らかに入庫と出庫のバランスが崩れており、出庫環境が良好というよりも、入庫環境が悪化しているとの評価になる。… … …(記事全文2,783文字)