□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年7月4日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 金ETFは2カ月連続で売却超過、インドは金輸入関税引き上げへ =================================== <インフレファイターに転じたFRBへの警戒感> 金上場投資信託(ETF)市場から投機マネーの流出が進んでいる。最大の金ETFである「SPDR GOLD SHARES」の投資残高は、5月が26.19トン減になったのに続き、6月が18.05トン減となり、2カ月連続で減少している。今年は1~4月まで4ヵ月連続で残高を積み増して118.89トンの買い越しになっていたが、5~6月で44.24トンの売り越しになっている。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制のためにタカ派スタンスを強化していることが、金市場からの投機マネー流出を促していることが確認できる。 パウエルFRB議長は、「リセッション(景気後退)」と「インフレ」の二つのリスクに直面する中、降車を重視する姿勢を鮮明にしている。これからソフトランディング(軟着陸)に向けた道筋を描く中、高インフレが長期化することのリスクの方が相対的に大きな混乱を引き起こすとの認識を鮮明にしている。昨年は大部分の期間でインフレ高進を容認とまではいかなくても黙認する姿勢を示していたが、現在はFRBのインフレ対策が後手に回っている状況に陥ることを強く警戒しており、当面は強力な金融引き締め策でインフレを抑制する方針を鮮明にしている。こうしたタカ派の金融政策スタンスが、金ETF市場からの資金流出を促している訳だ。… … …(記事全文3,217文字)