□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年7月1日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 二つの強弱ロジックが交錯する原油相場、不安定化するも高値推移を継続 =================================== <リセッション・リスクと短期需要への期待> NYMEX原油先物相場は、6月14日の1バレル=123.68ドルから22日の101.53ドルまで急反落したが、29日は114.05ドルまで切り返すなど、極端な乱高下が繰り返されている。14日時点では需給ひっ迫感を織り込む形で3月9日以来の高値を更新していたが、これ以上の高値は今年3営業日か経験していない水準である。一方、22日にかけてはリセッション(景気後退)の懸念を織り込む形で急反落し、29日にかけては改めて需給ひっ迫見通しを織り込むなど、数日単位でマーケット環境は大きく揺れ動いている。足元では再び106ドル水準まで値下がりしている。 これは強弱双方のロジックが比較的強力なため、マーケットのテーマ設定状況次第で地合いが急変してしまうためだ。まずは需要環境だが、世界各国の中央銀行がインフレ抑制のための利上げを急ぐ中、徐々にリセッションのリスクが高まっていることは間違いない。これからリセッションに突入していくのであれば、原油需要環境にも大きなダメージが発生しかねず、原油高はもはや必要ないとのロジックが成立し得る。… … …(記事全文3,774文字)