□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年6月27日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== なぜ日中の天然ゴム価格の値動きに乖離、6月限納会から読み解く国内相場の底固さ =================================== <日中のゴム相場で異なる値動き> 6月24日にJPX天然ゴム先物RSSの6月限が納会を迎えた。受渡価格は1㎏=270.00円となり、5月限の250.70円を19.30円上回っている。これは今年最高値だった4月限の267.60円も上回り、2021年1月限以来の高値水準になる。また、受渡高は320枚だが、これは5月限の259枚を上回り、21年9月限以来の高水準になっている。6月下旬は、グローバルマーケット全体でリセッション(景気後退)の脅威が強く警戒されていたが、こうした中で1年5カ月ぶりの高値で受け渡しが行われたことは注目に値しよう。しかも、9カ月ぶりの高水準の受け渡しが行われており、実需がこうした価格水準を受け入れたことに対してはサプライズ感さえある。 ゴム相場は6月9日の267.30円で上げ一服となり、その後は250円台前半から中盤をコアに揉み合う展開が続いていた。上値の重い値動きと言えるが、原油や非鉄金属などのゴム相場との間に連動性が認められることが多い他コモディティ相場が全面安の展開になる中で、相対的な底固さを見せていた。さすがに他コモディティ相場の急落に逆行高になるまでのエネルギーはなかったが、工業品のみならず農産物相場も軒並み値を崩した環境にあって、ゴム相場が「下げなかった」ことには意外感があった。どうしてもマーケットでは急伸や急落といった大きな価格変動が注目されがちだが、下げて当然のマーケット環境で動かなかったことは、大きな意味を持とう。… … …(記事全文3,184文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)