□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年6月21日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 安値ボックスが続くプラチナ相場、南アの供給リスクを考える =================================== <ドル建て相場は横這い、円安で円建て相場はじり高傾向> NYMEXプラチナ先物相場は、方向性を欠く展開が続いている。1オンス=900ドル水準では下値をサポートされるが、1,000ドル台から一段高を試すまでのエネルギーはなく、ボックス気味の展開が維持されている。6月入りしてからは、中国上海市のロックダウン(都市封鎖)解除などの動きを手掛かりに、6月6日の高値1,038.30ドルまで上昇する場面も見られた。自動車生産・販売環境の正常化期待を織り込む動きが優勢になった結果である。しかし、その後は早くも新型コロナウイルス対策で行動規制強化の議論が再浮上したこと、更にはインフレ対策の世界的な金融引き締めが景気減速を促すのではないかとの警戒感に上値を抑えられ、結果的に900ドル水準でのサポートは維持されるも、上値を攻め切れない展開が繰り返されている。 OSEプラチナ先物相場は、1グラム=3,900~4,050円水準と、5月の3,700~4,000円水準と比較すると若干値位置を切り上げている。ドル建てプラチナ相場の値動きが鈍いことで、相対的にドル/円相場の影響を強く受ける地合が続いている。6月9日の4,225円からは下押しされているが、昨年12月の3,400円水準が今年3~5月には3,700円水準まで下値が切り上がったが、更に4,000円水準まで下値切り上げが可能かを打診する展開になっている。ドル建て相場のボックス化、円安による円建て相場の緩やかなコアレンジ切り上げの基本環境は維持されている。今後も、国内プラチナ相場の強気派にとっては、ドル建て相場は大きな値崩れさえ起こさなければ十分との目線になり、寧ろ円安の持続力の方に注目すべき地合が続こう。… … …(記事全文3,780文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)