□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年6月20日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== リセッションの脅威が急浮上中、基調強いが下落シナリオへの備えも必要に =================================== <新たな需要不安に直面する> NYMEX原油先物相場は、6月14日に1バレル=123.68ドルまで値上がりして3月9日以来の高値を更新したばかりだが、17日には106.40ドルまで急落し、5月19日以来の高値を更新している。1)中国の新型コロナウイルスの感染被害一服、2)北半球のドライブシーズン入り、3)欧州連合(EU)のロシア産原油禁輸、4)石油輸出国機構(OPEC)プラスの増産能力に対する懐疑的な見方などが、原油相場の急伸を促していた。しかし、6月中旬は改めて需要不安を織り込む動きが強まり、一気に値位置を切り下げている。 当然に1週間前後でマクロ経済環境が急変することはないが、マーケット全体が世界経済の先行き不透明感を織り込む動きを強めている影響が大きい。ここ数か月は原油需要のリスクとしては、専ら中国における新型コロナウイルスの感染状況が注目されていた。行動規制の強化で輸送用エネルギー需要が落ち込むのか、それとも経済活動正常化で輸送用エネルギー需要が回復に向かうかが焦点になっていた。こうした中で、6月上旬から中旬にかけては、混乱がありながらも中国の需要環境が改善に向かうとの見方を織り込んでいたが、これとは別の角度から需要不安が急浮上している。… … …(記事全文3,439文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)