□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年6月13日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 40年ぶりの高インフレと金価格、円建て金相場は過去最高値に迫る =================================== <40年ぶりの高インフレ率を受けての金相場> 6月10日に米労働省が発表した5月消費者指数(CPI)は、前年同月比8.6%上昇となった。4月の8.3%上昇から上振れし、1981年12月以来、40年5カ月ぶりの大幅な上昇率を記録している。4月は3月の8.5%上昇から下振れしていたため、マーケットではインフレ圧力鈍化の可能性が想定されて始めていた。インフレが早くも鈍化し始めるのであれば、6月と7月には米連邦準備制度理事会(FRB)がそれぞれ0.50%の追加利上げに踏み切ることが必要としても、9月以降に利上げ休止、更には早期に利上げサイクルを終了させることも可能との見方が広がっていた。しかし実際には、インフレ鎮静化をメインシナリオに設定するのは時期尚早であることが5月消費者物価指数で確認されており、9月の追加利上げも含めて強力な引き締め対応との見方が優勢になっている。 食品が10.1%上昇、エネルギーが34.6%上昇となっており、特にエネルギー分野の強力なインフレ圧力を解消できない状況が続いている。燃料油が50.3%高、輸送燃料が49.1%高、電力が12.0%高、ガスが30.2%高となっており、特に原油相場の高騰が続くと、インフレ鎮静化を促すことは難しいことが再確認されている。… … …(記事全文3,694文字)