□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年6月8日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== プラチナ相場の安値修正は一巡か、一段高の有無は円安の持続力に依存する =================================== <プラチナ相場の安値修正は一巡か?> NYMEXプラチナ先物相場は4月27日の1オンス=895.40ドルで下げ一服となるも、その後も900ドル台で明確な方向性を打ち出せない安値低迷状態が続いた。中国が新型コロナウイルス対策で大規模なロックダウン(都市封鎖)を展開したことで、主に需要不安が上値を圧迫した結果である。しかし、6月入りと前後して原油や非鉄金属相場などと同様に中国経済の正常化期待を織り込む動きが強まり、6月6日高値は1,038.30ドルに達している。中国ではロックダウンの解除が進む一方、政府が大型経済対策によって経済活動の早期回復を目指す姿勢を鮮明にしていることで、プラチナ需要環境の急激な改善期待を強めている。 これと同様の値動きは、鉄鉱石や非鉄金属市場でも観測されており、ここ数か月のプラチナ相場は比較的単純に「中国リスクの増大で売り」、「中国リスクの軽減で反発」との見方で十分だろう。プラチナ需給に関する詳細な動向は殆ど注目されておらず、中国リスクをどのように評価するのかを資源価格全体がどのように見るのかに強く依存する展開になっている。… … …(記事全文3,075文字)