□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年6月1日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== EUのロシア産禁輸で需給ひっ迫リスク高まるも、怪しい動きを見せ始めたOPEC =================================== <一時120ドルに迫る急伸地合に> NYMEX原油先物相場は5月31日の取引で1バレル=119.98ドルまで値上がりし、3月9日以来の高値を更新した。ウクライナ危機発生直後の高値130.50ドル(3月7日)まで、残り10ドル強に迫る展開になっている。需要と供給の双方から、需給引き締め圧力が強くなっている結果である。 第一に、中国の新型コロナウイルスの感染被害が終息に向かっていることがある。4月に続いて5月も中国のロックダウン(都市封鎖)に代表される行動規制が石油需要を大きく下押ししたのが確実視されているが、最悪期を脱したとの安心感が広がっている。北京と上海の双方で段階的に行動規制の緩和が既に始まっており、石油需要のトレンドが急激に上向きに転換することが予想されている。行動規制の緩和が再び感染被害の深刻化をもたらさないのかなど不透明感も残されているが、これまで感染被害の拡大が報告される度に急落対応を迫られる展開が続いていただけに、感染被害の波が終息に向かっていることは素直に好感できる。… … …(記事全文4,596文字)