□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年5月27日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 米金融政策のタカ派一辺倒に揺らぎ発生、金価格を刺激する景気減速懸念と株価急落 =================================== <売り材料の消化が進む金相場> COMEX金先物相場は5月16日の1オンス=1,785.00ドルをボトムに、足元では1,850ドル水準まで切り返す展開になっている。4月18日の2,003.00ドルをピークに、米金融政策の引き締めスタンス傾斜を反映して急落していたが、徐々に下値を固める展開になっている。当面の金融引き締めの議論消化が一巡していることに加えて、想定されていた程には強力な引き締め政策が展開されない可能性が浮上しているためだ。200日移動平均線(1,8470ドル)を割り込んだことで単純な値ごろ感もあり、徐々にファンドの買い圧力が強くなっている。 5月3~4日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.50%の追加利上げ、更には6月から保有資産縮小(QT)を進めていく方針が示された。声明文ではインフレが主要な関心事であることを強調しており、当面の米金融政策はインフレ対応が最優先されることが強く示唆された。こうした動きと前後して、金融市場でも金融政策環境の急変を織り込む動きが強まり、米長期金利上昇とドル高圧力が金相場を下押しする展開になった。… … …(記事全文4,058文字)