□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年5月25日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 原油より石油製品の方が深刻な供給不足、ドライブ・シーズン前のガソリン価格高騰 =================================== <過去最高値更新が続く米ガソリン小売価格> 5月最終月曜日(今年は30日)のメモリアル・デーから9月最初の月曜日(同5日)レーバー・デーまでの約3か月は、ドライブ・シーズンと言われるガソリン需要期になる。冬が終わり春先の穏やかな天候、そして夏季休暇シーズンへと行楽需要が高まることに伴い、ガソリン消費量も年間のピークを迎える傾向にある。本来であれば、パンデミックの影響が一段と緩和されていることで、需要の大きな伸びが想定される所だが、今年はやや消費の伸び悩み傾向が目立つ状況にある。ガソリン小売価格が過去最高値圏を推移しているためだ。 米国では石油製品に課せられる税金は2022年4月時点でガソリン価格の12%、ディーゼル価格の11%に留まっているため、日本などと比較するとガソリンやディーゼル価格は相対的に安価である一方、原油相場が急騰するとコスト転嫁でガソリン価格やディーゼル価格も急騰する傾向にある。ガソリンのコストを分解すると、原油(原料)が60%、精製が17%、輸送・販売が11%、税金が12%で構成されているため、原油価格高騰のインパクトは極めて大きい。… … …(記事全文3,252文字)