□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年5月20日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 不都合な日本の物価2%突破と金相場、ドル建て金相場は売り材料出尽くしへ =================================== <日本のインフレ率も2%突破> 総務省が5月20日に発表した4月消費者物価指数は、変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が101.4(2020年100)となり、前年同月比2.1%上昇となった。日本銀行の政策目標である「物価2%」の達成は、消費増税の影響があった2015年3月以来、7年1カ月ぶりのことになる。消費増税の影響を排除すると1991年12月以来、13年7カ月ぶりの高インフレ環境になる。項目別だと、電気代やガソリン価格などエネルギー価格高騰の影響が大きかったが、食用油やパンなど食料品価格上昇の上昇も影響した。 世界的なインフレ環境でもこれまで日本の物価が抑制されていたのは、菅政権時代に携帯電話料金値下げが行われていた影響が大きく、携帯大手は2021年春に格安プランを相次いで導入し、その効果で1年にわたって前年同月比のインフレ率は抑制されていた。このため、実質的なインフレ率は既に2.0%を上回っているとの指摘もあったが、今回の統計で名実ともにインフレ率の2%突破が確認された。… … …(記事全文3,359文字)