□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2022年5月16日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== インドが小麦禁輸を発表、地政学リスクと異常気象が同時進行する小麦市場 =================================== <インドが小麦禁輸を発表> インド政府が小麦の禁輸措置を打ち出したことを受けて、5月16日のCBOT小麦先物相場はアジアタイムに制限幅いっぱいとなる1Bu当たりで前日比70.00セント高と急伸し、中心限月ベースだと3月8日以来の高値を更新した。ウクライナ危機を受けてのパニック的な買いで3月7日の1,311.25セントまで急伸した後は、970~1,170セント水準で方向性を欠く展開が続いていたが、改めて急伸地合を形成しており、1,200セント台前半まで値位置を切り上げている。 インド政府は週末の5月14日、小麦の輸出停止方針を発表した。インド国内では厳しい熱波が発生し続けており、冬小麦の生産環境にも大きなダメージが報告されている。このため、5月に入ってからは禁輸措置に近く踏み切るのではないかとの噂が流れていたが、米国産の冬小麦の生産環境悪化で小麦相場が上昇し始めた最悪のタイミングで、禁輸という強力なカードが切られている。… … …(記事全文3,596文字)